
藤澤清造という作家をご存知でしょうか?
知る人ぞ知る、
私小説作家です。
昭和7年、公園のベンチで凍死体となって発見されました。
47歳でした。
ということで本日のおすすめ本です。
■■■ 本日のおすすめ本 ■■■
【このブログはいろいろな所から出版の情報を集めて、書いています。出来るだけ多くの本を取り上げようと思っていますので、紹介する文章は中途半端に終わっているかも知れません。それでも、本のセレクトにはいっぱいの気持ちを込めています】
『どうで死ぬ身の一踊り』 西村賢太著 講談社
本書は最近ではあまり見られない、大正時代に隆盛をきわめた私小説。
表題の本に収められた「墓前生活」「一夜」では型破りな無頼派で破滅型の作家藤澤清造と著者自身との関わりをめぐる物語。「片足が悪く、人から軽んじられ、地べたを這いずり回るように生きている。それでいて主人公は卑屈になっていない。」著者はそんな藤澤と中学卒でありながら、独学で文学を体得した自身とを重ね合わせる。
その筆致はユーモラスで、とても上手い。
タイトルの「どうで死ぬ身の一踊り」は、藤澤の晩年の句「何のその どうで死ぬ身の 一踊り」に由来する。
無頼派と呼ばれた作家、坂口安吾、太宰治、織田作之助、石川淳、檀一雄など、どの作家も私には魅力的だった。
『大江戸飼い鳥草子』 細川博昭著 吉川弘文館
江戸の戯作者・滝沢馬琴はストレス解消のため、鳥を飼っていた。
カナリヤや鳩など、その数100羽ほど。その飼育の様を克明に日記に記した。
江戸時代の人々は小鳥を愛し、さまざまに楽しんだようだ。鳴き声や、姿の美しさを競う「小鳥合(ことりあわせ)」で日本三名鳥とされたのがウグイス、コマドリ、オオルソ。
飼育の相談役でもあった鳥屋の存在。次々と出版された飼育書などを通して、当時の豊かな飼い鳥文化を探る。
『数奇の革命』 児島孝著 思文閣出版
作法を重視する現在の「かたちの茶」は、かつて自由溌剌としていた茶の湯をゆがめてしまった、というのが著者の立場。
タイトルにある「数奇」とはお茶本来の精神、茶の湯そのものを意味する。数奇はその時々の創意工夫に宿る。茶道に「大事の習い」などない。つねにその時々の作意機転でやればよいので、前例・習いが無いことこそ、いわば「茶の極意」だと利休は述べた、という。
なぜ這いつくばって茶室に入るのか?滑稽そのものだ。
本書は茶の湯がなぜ日本文化に大きな位置を占めてきたかを、分かり易く教えてくれる。
『カレー放浪記』 小野員裕著 創森社
旨いカレーを求めて東奔西走。
ひたすら陋巷のメニューを吟味。カレーが放つ不思議な魔力と至福のカレー処を徹底ガイド。
カレー好きには必読。
◆◆ 絵本(児童書) ◆◆
『トトトのトナカイさん』 長谷川義史作 ブロンズ新社
冬の「あの日」以外、とても退屈なトナカイさん。
しかたがないのでしりとりをはじめることにしました。最初は「トナカイのイ」から。次は「イ・イ・イ イノシシ!」とイノシシさんが走って登場。しりとりに出てくる動物たちがページいっぱいに描かれる。
『声の森』 安房直子著 ひろかわさえこ画 偕成社
迷い込んだものの、声をまねる森に入ってしまったつぼみちゃん。
さてお家に帰ることができるかな。

